「新型コロナウイルス、ありがたや」なんて書くと必ず叱責をうけるだろうが、グループ誌「象」(編集責任者の水田洋氏は101歳!)97号で浅野介敬という人が書いている文章を読んでそう思った。食事中に会話しないことにより、頂く命に感謝し自分の内面と向き合うという食事の本質に立ち返ることができる。テレワークや在宅勤務により、本当に必要な業務かどうかを考える機会になり、常時都会にいる必要がなければ、地方から都会への人の移動が反転する。様々なイベントや活動の中止によって、人間の活動とは何かを再構築することになる等々。
「これまでの日常に早く戻りたい」という声をよく聞くが(もちろん私もそう思っているが)、これまでの生活は本当によかったのか、と視点を変えてみる必要もある。新型コロナウイルスは、私たちが拠って立つ場所を揺さぶっている。
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